
60歳目前!不動産収入で生活できますか?
1.58歳で仕事を辞めた夫
会社に縛られたくない、自由な時間で自由に生活したい。
サラリーマンならそう思うことも多いかもしれません。
私たち夫婦は21歳で一緒に住み始め結婚しましたが、夫は何度も転職を繰り返し、今までの最長雇用期間は7年ほどだったと思います。出会ったときは小さな印刷会社に勤めていて、将来は自分で印刷会社をやりたいと話していましたが、その会社が3年ほどで廃業になってしまいました。
その後不動産会社を2つ、街金といわれる金融会社、家電製品設置のアルバイト、鉄鋼関係の工場勤務、そしてまた印刷会社、ハード勤務で辞めてまた別の印刷会社、そして最後は訪問介護事業所と、もう何回も転職をし続けていて、もしかしたらこの他にもあったかもしれません。
その転職転職の合間に半年~1年ほど無職のまま、釣りの旅に出かけていたこともあります。
株のデイトレードで生活するといって毎日PCに張り付いていたこともありました。
結局デイトレードでは生活できないとわかり、今度はパチンコで生活すると毎日朝からパチンコ屋に通っていた時期もありました。デイトレードならセンスのある人は稼げるかもしれませんが、パチンコなんて馬鹿みたいなことを言い出した時は本当に呆れました。
それでも、大学を中退して結婚し、その後4人の子供たちの育児に追われていた私は、酒屋さんの包装のアルバイトや新聞の集金、在宅でのPC入力程度のアルバイトしかすることができなかったので、何とか生活していけるだけのお金を工面してくれる夫に感謝していました。
下の子供たちが小学校に入った頃には私も外に働きに出られるようになり、コールセンターのアルバイト、その後介護ヘルパーの資格を取って訪問介護の仕事も始めました。
夫は、最長で7年ほど印刷会社に勤務していましたが、自分に出来ない仕事を押し付けられたからと言って、56歳の時に結局そこも退職することになりました。
その後は職業訓練ということで、失業保険を頂きながら介護の初任者研修取得のため3か月ほど、無職のまま職業訓練校に通っていました。
転職を繰り返してきた人間が56歳で無職になると、その先新しい仕事はやはり介護くらいしかないのだろうと、夫も半ば諦めの気持ちだったのかもしれません。
そしてめでたく初任者研修を終了して、都内各地に多くの事業所を展開している訪問介護の会社に就職することが出来ました。介護業界はやはり人手が足りないので、60歳近くになっていても、資格を持っていればなんとか就職出来るようでした。
介護の仕事なんて絶対に続かないだろうと思っていましたが、そのまま訪問介護の仕事を2年程続けた夫のことは少し見直しました。
しかしやはり仕事を続けられない夫の事、2年後介護福祉士の試験に落ちた後、事業所の上の人との反りが合わないとのことで結局また辞めることになりました。
その後はもう俺は就職はしないと宣言し、結局また58歳で無職になりました。
2.無職になってから
さて58歳で就職しない宣言をした夫はこれからどうするつもりなのでしょうか。
転職を繰り返し、年金を払っていない期間も多く、今後の年金など殆どありません。
ただ、お金も無いけれどものすごくケチでもある夫なので、必要なところにもお金を使わずになんとか生活できています。
私は介護福祉士として仕事をし、同居の二人の息子たちは、一人は統合失調症という精神障害のため在宅療養中、もう一人の息子は2年前の大学卒業後、定職に就かず宅配(Uber Eatsや出前館等)で稼いでいます。
話が逸れますが、個人で行うこの宅配も、やり方によってはわりと稼げるようで、大学時代からずっとこの仕事を続けてきた息子は、全くの0から500万円以上の貯金が出来たと言っていました。
仕事を辞めた夫は、毎日お昼過ぎまで寝ていて、起きてからは夕方までPCを眺め、その後夜の12時頃までTVを見ながら酒を飲む、という最低な生活を送っています。
毎日がほぼこの繰り返しですが、時によって車で出かけていき、1日、または数日留守にして帰ってきます。
基本的に夫のやることには口出しをしないので、何をしているのか詳しいことまでは聞かずにいますが、実は夫は不動産をいくつか所有しているのです。
不動産といっても高いものではないのですが、初めに手に入れたものは、24歳の不動産会社勤務時に自分で購入した投資用のワンルームマンションの一室です。
ローンで購入したこのマンションは渋谷にありますが、場所が良く初めからずっと賃貸が付いていて、ローンと管理費は全て賃貸料で済みました。
このマンションは今はもうローンが無いので、管理費を引いた家賃収入が手元に入ってきます。

3.所有不動産からの収入
不動産会社にしばらく勤務して営業をしていたことで、夫は不動産についての知識があると自負しています。そこで不動産会社からの営業電話があると、必要なことを聞き出し、コストパフォーマンスや利益率について慎重に検討し、これならと思う物件は独断で購入していました。
不動産といってもピンからキリまでありますが、夫が購入するものは殆どキリの部類で、そんなに価格の高いものではなく、サラリーマンでも十分に手が出せる物件ばかりです。
そのキリの中で少しでも輝いている物件を、不動産会社の営業の人から引き出すことが出来れば、それが大当たりに化けるかもしれません。
渋谷のマンション以外の物件として、湘南にマンションがもう1室あります。
これは賃貸人付きの売買でしたが、賃貸人が中高年の女性で、ほぼ転居することなく居住し続けることが見込めるとのことで購入を決めたようです。
その読み通りに賃貸はずっと付いており、購入価格も安かったので、物件の資産価値と購入金額に対しての家賃収入はプラスになっているはずです。
その他の物件については、私もあまり知らないものもあるのですが、都内以外のところに、一軒家が3軒、アパートが2棟あるようです。
安い物件ばかりですが、ローンで購入したものもあれば、親族から受け継いだ不動産を売って購入した物件もあります。もちろん全て賃貸に出しています。
夫が家を留守にしているときは、この物件のどこかに行って手直しをしていたり、古い物件を自分でリフォームして賃貸をつけたり、購入価格より高値で売りに出したりするための作業をしているようです。
夫は無職でお昼まで寝ている最低な生活、と酷いことを言いましたが、そんな生活の中でも、自分でやる気が起きたときに所有物件を管理して、それによって収入を得ているわけなので、実は感謝しなくてはいけないのですね。
4.所有不動産で老後を生きる
それでもやっぱり夫はケチなので、得ている不動産収入の中から本当に僅かの生活費しか出してくれないので、私が介護で働いた収入で生活を支えています。
ただ、ケチで生活費をあまり出さない分、そこで貯めたお金をまた新しい不動産購入費に充てていくので、収入源となる不動産が次々に増えていきます。
転職を繰り返してきた夫が、人に使われず自分の能力と労力のみで得ていかれる収入源として、不動産所得があって本当に良かったと思います。
不動産取得は敷居が高いとか、不安があったり心配なことが多いと思う方も多いかもしれませんが、こんな夫でもなんとかなる!
そして不動産からの収入で生計を立てていくため、夫は今年になって法人を設立しました。
賃貸不動産だけではなく、引っ越し作業や片付け作業、シェアハウスや介護事業までを視野に入れた法人で、今後何が出来るのかが楽しみでもあります。
もちろんそんなに上手くいく訳ない、との批判も心配も大きいですが、もう人生の終盤に差し掛かっている私達が、成功を目指すのではなく生きていくことを繋げていくために、自分達が出来ることをただひたすら行っていきたいと思います。
今後、所有物件をどのように手直しし、リフォームして賃貸していくのか、管理はどうしていくのかなどについても書いていきたいと思います。
